シェフ ジョン・アシュトン 独占インタビュー
ディズニー・クルーズラインの一部の航路では、料理界のスターがライブで登場するゲストシェフ・プログラムを実施していることをご存知でしたか?シェフのジョン・アシュトンは、イギリスの有名レストランで料理のキャリアを積んだ後、子供の頃からの夢だったアメリカに渡り、朝のニュースや深夜のトークショー、ケーブルテレビの料理番組や有名雑誌のページなど、あらゆる場所で料理に対する思いや見解を披露しています。ディズニー・ファイル・マガジンの編集者であるライアン・マーチがシェフ アシュトンを訪ね、料理への情熱だけでなく、ディスレクシアを克服した誇り、ウォルト・ディズニーへの憧れ、ステージで料理をするとまるで『ファンタジア』の主役のような気分になる理由などを語ってくれました。
ライアン:どこで、どのように食に対して情熱を抱くようになったのですか?また、どのようなタイミングで料理を職業にしたいと思うようになったのですか?
シェフ アシュトン:私が初めて祖母と一緒に台所に立ったのは、8歳の時でした。幼少期はあまりお金がなかったんです。でも、祖母は毎週末、近所の人たちのためにパンを焼いていて、私はそんな彼女と一緒にキッチンで料理をする時間が大好きでした。そして、頑張って作ったものをご近所さんと共有することにもすごく魅力を感じていました。中には、恵まれない人たちもいました。パンやスコーン、時にはカスタードプリンを受け取りにドアをノックされたとき、私は目を輝かせてそれに答えていました。その日作ったものを愛情たっぷりこめてシェアして、近所の人たちを笑顔にできたことを誇りに思ったものです。今思えば、私自身も贈り物をするという体験をしていたのだと思います。これは、私たちが感じる最高の気分のひとつかもしれません。これがきっかけで、料理の道に進みました。
ライアン:ディズニー全般、そしてディズニー・クルーズラインのどこに魅力を感じましたか?
シェフ アシュトン: 食は、世界共通語であることは以前から知っていましたが、ディズニー全般、中でもディズニー・クルーズラインは、喜びという感情も同様に世界共通であることを実感させてくれました。地球上のあらゆる場所から集まったゲストが、大好きなキャラクターと出会うとき、その喜びの笑顔が目に浮かびます。母国語は違っても、彼らの大きな幸せが伝わってきて、心が温かくなるのです。食べ物が体に栄養を与えるように、喜びは私たちに希望を与えてくれます。この喜びをお客様と分かち合えることは、私の大きな財産です。
ディズニー・クルーズラインには、海の上で最も才能があり、知識が豊富で経験豊富なホスピタリティのプロフェッショナルがいます。彼らから学ぶのを楽しみにしていますが、同時に自分も彼らにインスピレーションを与えることができたら良いと思っています。
ディズニーは、私を信じ、励まし、本物の自分でいることを鼓舞してくれる優しい存在です。その代わり、私は料理や笑い、祝うことへの情熱を分かち合うことに胸が躍っています。初日からキャストの皆さんは、温かく両手を広げて私を迎えてくれました。
ライアン:そうですね、あなたが家族の一員であることに、私たちはとても感激しています。ディズニー・クルーズラインのゲストがあなたと一緒に航海する機会を得たら、どんなことを期待できるのか、少し教えていただけますか?
シェフ アシュトン: ディズニー・クルーズラインは、世界中の異なる母港から5隻の船が出航しています。毎日、お客様は海に面したお気に入りのホテルに滞在し、カーテンを開けて、新しい旅先を楽しんでいます。私が乗船するときに目指していることは、その港の料理に関する歴史や事実、料理のコツや知識を共有し、その港のために考案された料理の作り方をゲストに教えることです。フランスでは羽のように軽いクロワッサン、イタリアでは柔らかなオッソブッコ、ニューヨークでは本場のチーズケーキなど、独自の思い出に残る方法でお客様に食べ物をお届けしています。
特に、ディズニー・クルーズラインがオーストラリアとニュージーランドの海岸を訪れると発表したことがとても楽しみです。シドニー、メルボルン、オークランドという南太平洋の味を共有できるなんて、感無量です。
ライアン:ディズニーで行うことは、すべて物語で始まり、物語で終わります。ストーリーテリングのアートに深くフォーカスした環境で、食のアートを共有することはどのような気分ですか?
シェフ アシュトン: ディズニーは、あらゆる時代の偉大なストーリーテラーの一人です。目を閉じて、ステージでお客様をおもてなししていると、『ファンタジア』の中にいるような気分になることがあるんです。食材が楽器になります。メロディーを支配するフレーバーもあれば、バック アップの音を奏でるフレーバーもあるのです。レシピそのものがストーリーを表現しており、食材の相互作用によってストーリーの結末が決まります。物語や料理のインスピレーションは、さまざまな心の奥底にある感情から生まれ、ファンタジアのように豊かな満足感を与えてくれます。
ライアン:あなたが食とオーディエンスとのつながりに情熱を傾けていることがはっきり分かりますね。他に何かあなたを駆り立てていることはありますか?
シェフ アシュトン:毎日、船上でライブを始める前に、ウォルト・ディズニー・シアターの前に座り、ウォルトの写真を敬服の思いで見つめています。私は顔を上げてこう言います。「仲間よ、今日、あなたが誇らしいと思える自分でありたい!」 私独自の原動力は、「私が出会うすべてのゲストとキャストに光と喜びを与える」という信条を常に貫くことです。
私が目標としているのは、この地球上のすべての人に夢を見る勇気を与えること、そして、ウォルトが私に与えてくれたように、すべての子供たちに目標に向かって進む勇気を与えることです。私は皆さんに、成功や弱さを誇りに思うことを勧めたいのです。私は、ディスレクシアであると口にすることを誇りに思っています。私は、そのようなことにとらわれることなく、ディスレクシアを持つ人たちに、私たちは単に情報の処理方法が違うだけで、考えることは問題解決や起業家精神を養うのに素晴らしいことだと知ってもらいたいと考えています。
私がこの仕事をしている最後の動機は、家族の誇りになることです。私は、美しく支えてくれる妻と、16歳の素晴らしい娘を持つことができて、とても恵まれています。新しく家族の仲間入りをしたのが愛らしいラブラドゥードルの子犬、リグビーです。ステージ上でも私生活でも最高の自分でいることは、私の最大のモチベーションのひとつです。